フランス内をメトロではなく、地上を走る鉄道で旅したことがある方なら、一度は耳にしたことがあると思われる、メロディとアナウンス。
耳に残るタンタンターラッ♪というメロディなのですが、実は機械音ではなく、アナウンスをしている女性が歌っているのだそうです!彼女の声はフランス全土で一番聞かれている声と言っても過言ではありません。
どんな女性が担当しているのか、チェックしてみましょう!
目次
SNCFの音声アナウンスはどのような声?
聞き取りやすい力強さ、人間味のある温かみ、せかせかしている駅構内で人の心をなだめる優しさがある声です。
番組でも注目されることがあるほど、フランス人誰もが聞き慣れている愛着のある声。駅を毎日利用する方にとっては生活の一部とも言える声なのです。
さっそく声を聞いてみましょう。
そもそもSNCFとは?
フランスの国有の鉄道事業会社です。SNCFは略称で、正式名称は「Société Nationale des Chemins de fer Français」とそのままフランスの国鉄会社といった意味になっています。本社はパリ近郊のサン=ドニに位置しています。
SNCFのアナウンス音は誰の声?
このアナウンスの声の持ち主はSimone Héraultさん(1950年生)という女性の方です。
Simoneが選ばれることになったきっかけ
若い頃、ラジオ局の秘書としてインターンシップをしていたことをきっかけに、Simoneはラジオ業界に入ります。その後ラジオでプレゼンターとして活動していました。
その頃にSNCFがアナウンスを一新したいということで、当時のラジオ局に声に担当できる人がいないか声をかけ、2人のうちの1人に選ばれます。最初は2人のアナウンスをだったそうですが、数年でSimoneさんだけになるのです。
SNCFにて声を担当したのが1981年!現在まで約38年間彼女がSNCFの全フランス駅構内、車内アナウンス、テーマメロディの声を担当し続けてきています。一番最初のTGVのアナウンスからだそうです!!
あまりに綺麗な統一感のある声なので、機械音声なのではとフランス人でさえも思っていますのですが、昔から今まで、変わらずなのです・・!これは凄いことですね。
Simoneの声はどこで聞けるの?
SNCFが管轄するフランス全土の駅、3,000駅以上。既に約4,000時間分のアナウンスが録音されており、計算によると、Simoneさんの声は既に10億回以上は聞かれていることになるそうです・・!
メロディ自体は2005年に導入されたそうですが、ほとんどのフランス人が皆知っているメロディです。
録音秘話
駅名によっては発音が難しいものや、あまり聞き慣れない場合は、その駅の駅長さん、街のツーリストオフィスや役所に電話をして駅名の正しい発音の確認をしているそうです。
ちなみに大きなストライキの時など、録音されたもので対応出来ない時は、本人が直接駅にてアナウンスを実際に出していることもあるようです!!レア!!
Simoneの現在の活動
彼女は19歳の時からナレーションの仕事に携わってきているベテランさんです。フランスでは声優という職業を「LES COMÉDIENS VOIX OFF」というようです。
表に名乗らない影の仕事をしてきた彼女ですが、2000年にラジオ局での仕事を退職する際に、これからは人と対面で会ってコミュニケーションをする仕事をしたいと感じるように!
そして2001年に、同じくSNCFにて働いていた友人と共に朗読やフランス文化に関する会社「Lire Autrement」を立ち上げました。司会進行やミュージシャンの方などが在籍している会社で、現在イキイキと活動なさっています!
まとめ
日本の鉄道の出発前メロディと比べると、少しモダンで暗め?という第一印象があったのですが、今回しっかり聞いてみたら、メロディ最後がターラッ♪と明るく終わっていたことに気づきました。
Simoneさんの明るい素敵な雰囲気、駅でアナウンスを聞くたびに思い出します。