パリで歴史散策をしてみてはいかがでしょうか?クリュニー中世美術館では様々なパリの美しい展示物を見ることができます。
目次
クリュニー中世美術館は元々修道院だった。
クリュニー美術館は教育機関の集まるカルチェ・ラタンエリア、ソルボンヌ大学のすぐ脇に位置しています。元々美術館は、ブルゴーニュのクリュニー修道会が14世紀にパリでの拠点として修道院長の別邸を建設したことが起源です。その後15世紀に再建されました。
様式が混じった繊細で美しい館の見所
建築様式はゴシック後期15世紀から16世紀のフランボワイヤン様式とルネッサンス様式。
実はローマ時代の浴場でもあった場所にあります。
ローマ時代の浴場跡は展示室として公開されています。天井高は13.5メートルもあるそうです。中世の建築彫刻が展示されています。
ステンドグラス
美しい12~13世紀のステンドグラスを暗室に集めた部屋があります。普段は教会などでも高所に位置していて近くから見る事ができませんが、ここでは真横からじっくりと鑑賞することができます。
美術館の展示室は全23室
展示室には中世の彫刻、絵画、装飾品、タピストリー、家具などが展示されています。美術館の所蔵は2万3000点程とのこと。
美術館の目玉「貴婦人と一角獣」
クリュニー美術館の中でも、特に有名なのが6枚の連作タペストリー、"貴婦人と一角獣"です。15世紀末にフランドルで織られたとみられている、細やかで美しい絵柄のタペストリー。今も多くの人を惹きつける魅力を放っています。※タペストリーは状態保存のために暗めの部屋にて展示されています。写真では光の加減で薄い赤に映ってしまっていますが実際のタペストリーは鮮明で色褪せも一切感じられない美しさです!
赤い背景の真ん中に緑色の円形の島のようなところがあり、そこに女性、ユニコーン、ライオンをメインにその他様々な動物、植物などが描かれています。6枚の連作のうち、5枚は人間の五感をそれぞれ表していると言われています。
女性が鏡を持ってユニコーンに向けています。「視覚」を表現しています。女性の膝の上にちょこんと乗ったユニコーンの足、優しそうなユニコーンの表情や鬣がとても美しいです。
こちらは女性が中世のオルガンを弾いています。「聴覚」を表しています。2人の女性の服装、楽器の下のテーブルの布、庭園の花々など、陰影をつけた繊細な色合いで細かく織り込まれていて遥かに想像を超える手の込んだ作品であることが感じられます。
女性とユニコーンの足下、草花とともに沢山のウサギと猿、狐が描かれています。とても可愛らしいため美術館のショップには動物達をピックアップしたノート、鏡、ペン、クッションなどのお土産も扱っています。
こちらは女性が器に入れて運んできたものを手に取り食べていることから「味覚」といった形で5つの感覚それぞれの他、最後なのか最初なのか、ストーリーは未だに解き明かされていないようですが、もう1枚は、他のタペストリーでは身につけていた宝石を、箱の中に返そう、もしくは取り出している図柄になっています。
青いテントの上部には A mon seul désir私の唯一の望みと記載されており、他の図柄との関係は未だに解明されていないようです。その希みは6つ目の感覚として、愛、理解と解釈されることが多いとのことですが、まだ謎は解けていないそうです。
クリュニー中世美術館の住所
8 Rue Victor Cousin 75005 Paris
最寄り駅:Cluny-La Sorbonne (メトロ10番線)