現在フランスでは年金制度の改革に反対して、交通機関を中心に大規模なストライキが12月から長らく続いています。
様々な所に影響が出ていますが、特にメトロの運行が不安定だったことが一番パリで生活する人々の生活に影響を与えました。12月5日から始まり、未だに続いています。パリジャン達は徒歩もしくは自転車での生活を余儀なくされ、今年の冬は健康的だ、なんて冗談も飛ぶくらいです。
そんな2020年1月の最近の様子をお伝えします。
目次
ストライキの原因:年金制度の改革に反対して
フランスのマクロン政権が財政を再建するために進めている年金制度の改革ですが、一番問題が大きくなっているのは、SNCF(フランス国鉄)とRATP(パリ交通公団)の職員の年金改革です。現在42種の年金制度を一本化にし、ポイント制とする内容だと、年金額が現在予定しているよりも下がってしまう人が多く、大反対なのです。
そのため、昨年2019年12月5日より大規模なストライキが始まりました。メトロの運行停止で通勤ができず、自宅から仕事をする人も増えました。フランス史上最長の国鉄ストライキとなっており、今日で何日目〜と記録がどんどん伸びています。
ストライキはいつまで?現在のメトロ・鉄道状況
1月20日現在、メトロや近郊鉄道RERの運行は、わりと通常通りに近づいて運行されています。つい先週まではメトロがラッシュアワーの時間だけの運行だったので、本当に混み合って大変でした。今、皆がメトロの有り難みを感じでいることでしょう。
しかし、まだいつストライキが終わるのかはわかりません。。マクロン政権がどのように出るかによってです。パリ市民もこのストライキについては仕方が無いと思って為す術なしです。
ストライキ中はどのような感じ?
メトロとRERの状況
メトロや近郊鉄道RERの運行は12月5日以降ずっと不安定でした。無人の自動運転である1番線、14番線はわりと通常運行していましたが、その他の路線と近郊鉄道RERは全面運行見合わせていたり、一部の駅間だけの運行、もしくは朝と夕方のラッシュアワー帯のみの運行だったりとバラバラでした。
人々は、動いているメトロの駅まで遠くても歩く!バスを乗り継ぐ、もしくは会社まで徒歩で歩く(1時間半くらい歩いて通っている人もいました・・・)というのが2019年冬の状況でした。
鉄道の運行状態は前日もしくは当日にならないと確かなことがわからないので、皆サイトを見てはあたふた!メトロの運行時間が変わったみたいよ〜!今すぐ出ないと帰れなくなる〜!といったことが日常茶飯事でした。
すぐ左側の通路に人混みが見えます。こちらは1番線(無人運転)から7番線への乗り換え通路です。15分程でラッシュアワーとなり、7番線が動き出すため、皆行列して待っているのです。
国鉄の状況
国鉄も大幅な間引き運転でした・・。クリスマス休暇で帰省する人、折角どこかへ出かけようと思っていた旅行者も列車がキャンセルとなり・・・本当に途方に暮れる状況でした。。
バスの状況
電車の代わりにバスを利用する方も増え、日本の満員電車並みにバス入り口付近が混み合っていて大変でした。(もはや入口から乗れないので下車口から乗って支払い無しが当たり前の状況のようです)
交通状況
では車は?ということですが、近郊鉄道RERの運行が不安定なため、パリ郊外からも車で通勤する人が増え、パリ中がそれは大変な交通渋滞でした!!
自転車や自動キックボードに乗って道路を走行する人も多く、なんだか見ていてハラハラするような運転もありました。
UBERの料金も需要が増えて料金が釣り上がっていることがありました。
ストライキは色々なところで起きています。
オペラ座
出演者によるストライキの影響でパリのオペラ座の公演までもキャンセルが相次いでいます。
18日にはストライキに参加するオーケストラのメンバーや歌手たちが建物の外で演奏や歌を披露して反対を訴えていました。既にオペラ座では67公演が中止になり、損失額およそ1400万ユーロ(日本円で約17億円)に上るとのことです・・・・凄まじいですね。。
出典:Le Monde
ルーヴル美術館
17日には、ルーブル美術館の職員が加入している労働組合がストライキを通告。およそ100人のデモ隊が入り口前を封鎖したのです。ストライキによってルーヴル美術館が休館するのは今回のストライキ中初めてのことでした。
出典:Twitter @jmphiphi
クリスマス商戦&セールへの影響
クリスマス中は買い物客が増えるはずなのに、今年はストライキのせいでなかなか買い物に出られなかった人も多いと思います。また、年2回の大きなセール月である1月も、外出が減っていることでしょう・・・。