DELF(デルフ)はフランス語の評価テストです。フランスの大学や大学院に進学したい人が取得するもので、IELTSやTOEFLのフランス語バージョンといったイメージです。どのような試験なのか、B2試験の内容の覚書を記載しておきます。
目次
DELF試験とは?
全世界にて受験者がいるフランス語力を測る試験。フランス語初級のA1〜上級C2まで6つのレベルがあります。B2レベルがあればフランスの大学へ願書を提出することができます。試験はリスニング・リーディング・ライティング・スピーキング(面接試験)の4パートに分かれています。日本でのDELF B2試験受験料は15,000円です。各レベルにより料金が異なります。
DELF B2 試験内容詳細と簡単なコツ
DELFもIELTSのように対策次第で大幅な点数アップが狙える試験です。各セクション25点満点、計100点の試験ですが、各項目で最低5点以上、そして全体で50点取ることができれば合格となる試験なのです。半分だけ取れれば合格とは・・ゆるい・・・。試験は黒ペンで解答する必要があります。パイロットから出ているこすると消えるマジックペンも便利です。フランスでは試験会場によって料金が異なります。
Compréhension de l'oral リスニング
約30分。2セクション。 25点満点。
- セクション1:8分程度の長い文章。録音された2つのテキストを聞き、設問に答える。 - インタビュー、ニュース番組等(聞き取り回数:1回) -解説、講演、会議、スピーチ、ドキュメンタリー番組やラジオ番組など。
- セクション2:数分の短い文章。インタビューやニュース番組などの内容。1回だけ聞くことができます。
リスニング試験の流れ
- まず初めに1分間質問を読む時間があるので、問題に目を通す。
- 1番目の長文を聞く。→3分間質問に答える時間がある。
- もう一度1番目の長文を聞く。→5分間質問に答える時間があり。
- セクション2へ。1分間の質問を読む時間あり。
- 文章を聞く。→3分間質問に答える時間あり。
気をつけるポイント
- 短文の方の音声は1回しか聞けません。集中する必要があります。
- IELTSと異なり、自分で質問に手書きで答える箇所が複数あります。
- 答えは全て問題順に出てくるので、質問を読んでおくことにより流れを把握できます。
- 選択問題の場合、解答が1つなのか、複数答えがあるのか質問をよく確認すること。Cochez les bonnes réponses.となっていたら答えは1つではなく、2個以上ということです!
- あとで解答する時間が準備されているとは言え、時間はあまりありません。聴きながら可能なら答えを即記入するかメモをとっておくことをおすすめします。
- 答えは問題順のため、聞き逃したと思っても焦って思考停止せず、先に進んで下さい!
- 答えが連続して来る可能性もあるので、メモを取りながらも耳をすませること。
- スペルミスで点数を落とすのは勿体無いので気をつける。
- 質問文と同じ単語を使わずにシノニム(同義語)で答えてくることが多いので質問を読んだら一緒に頭の中で単語をイメージしておくことが大事。
Compréhension des écrits リーディング
60分。長文が2つ、25点満点。
内容は本、雑誌、新聞やアカデミックな専門誌。
気をつけるポイント
- 時間配分は自分次第ですが、約30分で1つの問題を解いていくのがおすすめ。
- 答えを最後に解答用紙に転写する時間は設けられていないので、解答用紙に即書いていった方が無駄時間がなくてよい。
- 質問が正しいVraiか不正解Fauxか、記載がなかったかOn ne sait pasという3択と、なぜなのか証拠の文章を抜き出せという問題がひっかけが多いです。
- 質問文と同じ単語を使わずにシノニム(同義語)になっていることが多いです。
Production écrite ライティング
60分、250文字以上の作文。25点満点。
お題は下記のどちらか
- 手紙。市長や何かの団体宛に、提案や不満などをフォーマルな書き方で書く。
- トピックがあり、それに賛成か反対かを述べる作文を作成するもの。
気をつけるポイント
- まずはすぐに書き出す前に、構成のメモを取ることが大事。
- トピックを正しく理解しているか質問文をよく確認して下さい。
- 英語の文章と異なり、フランス語の文書はコンクルージョンである最後のパラグラフに自分の意見を盛り込むのが特徴!最初から自分の意見をベラベラ述べてはだめ。
- パラグラフは4つで大丈夫です。イントロで本題に入る前の導入を書きます。次に問題となっていること(質問)の言い換えを書きます。更にどのように文章を展開していくか、プランを書きます。その後、パラグラフ2,3で論理的に順序立てて賛成や反対意見を述べたり、解決方法を論理的に段階を追って説明します。最後の結論では、今まで述べた内容を要約した、自分の意見を述べます。余裕があれば、新たなdebatを展開させて終わります。
- 1つの段落内では、まず1番言いたい大事なことを書き、その後具体例などで固めるという風にすると楽です。段落内で筋が通っていることが大事です。
- フランス語では同じ単語の繰り返しを避けることが大事です。
- 思いっきりリンキングワードを使う!
- 具体的な例を盛り込み、論理的に述べることを忘れずに。
- 250文字以上書かないと減点となるので、気をつけること。
Production Orale スピーキング
約50分。準備時間30分、発表10分、ディベート10分程度。25点満点。
スピーキングの流れ
- まず複数枚裏返してあるトピック(新聞の記事などテーマはバラバラ)から2枚引きます。簡単にどちらも読んだ後に1枚を選び、発表するために30分の準備時間が与えられます。紙が用意されているので箇条書きのメモを取ると良いです。
- 2名の試験官の前で8〜10分程度の発表をします。
- 回答した内容について、試験官から質問され、ディベートを10分程度します。
気をつけるポイント
- 引いた2枚のうち、題名と内容をさらっと読んで、どちらの方が話しやすいか確認すること。
- 準備時間では文章を書くよりも、伝えたい内容、構成を練ってメモを取る程度にした方が良いかも。
- ライティングと同様に、イントロ、中身、コンクルージョンを意識して構成すること。
- 発表時は相手の目を見て、しっかりと会話することが大事。
- 同じ単語の繰り返しは避けること。
- ディベートでは質問にはまずまっすぐ答えて、その後になぜなら〜と展開したほうが楽。
- Je pense que~、Je crois que~,Selon moi~, Ce qui me concerne~, A mon avis~など自分の意見を言うためのバリエーションを用意しておくべき。
- 相手が話を簡単に追うことができるように、リンキングワードは多用するべし。
DELFの点数
DELFはIELTSと異なり、合格するか、しないかという評価です。各セクションでそれぞれ5点以上、そして全体の半分が取れれば合格です!
DELF試験日の注意事項
- 本人確認の写真付き身分証明書が必要です。
- 試験はリスニング、リーディング、ライティングは全て続けて行われます。
- お手洗いには行くことができません。試験2時間前にあまり飲み物を飲まないように!
- 解答は黒ペンです。修正ペン、こすると消えるマジックペンは利用可能です。
- バッグは荷物置き場に置くことになります。
DELF対策に活用した書籍
DELF対策本は英語の試験に比べると圧倒的に少なく日本語で書かれているものはほぼありません。また、公式問題集もありません。参考になる本はフランス語で出版されていますので、それらを購入して勉強することをおすすめします。こちらに私が実際に利用している本をまとめてみました。