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現代フランス人作家による壁画アート!
まるで魔法のようなだまし絵!trompe l'oeil(トロンプ・ルイユ)とは?
フランスではトリックアートを"trompe l'oeil(トロンプ・ルイユ)と呼び、”目を騙す”という言葉で作られています。実際にはそこに存在しない扉や窓、風景、人物などを、視覚効果を巧みに利用してまるであたかもそこに実在するかのように描きます。壁面や床などに奥行きがあるように見せているもの、平面から絵の一部が外に飛び出しているようなもの、向きを変えるとまったく違う絵になるもの、視点を変えると1つの絵が2つ異なるものに見えてくるもの、大きさや長さについての錯覚を与えるものなど、トリックアートの種類は様々です。
A.FRESCO
遠近法を用いたイリュージョン的な空間構成
海外を旅行していると、教会でたまに見かけませんか?まるで大理石でできているかのように壁に細かく大理石模様を描いていたり、天井に美しい幻想的な空間が描かれていたり、ドームのない教会が、教会内部の天井に高いドームがそこに存在しているかのように描いていたり。人々の視覚の勘違いを利用しての美しく実にリアルなアートにはいつも驚かされます。
アンドレア・ポッツォによる「聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光」
アンドレア・ポッツォは17世紀後半、後期バロックの時期に活躍した画家です。ローマのサン・ティニャーツィオ聖堂の天井に描かれた「聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光」では遠近法を用いて≪イエズス会の伝道の寓意≫を描いています。聖イグナティウスとイエズス会の功績を、天井内に空間を構成し、幻想的かつ、劇的に表現しています。
フレスコ画を壁画に描くフランス人作家、Patrick Commecy
なんのへんてつもない、面白みのなかった壁が彼の手にかかることにより、いきいきとした人々が活動している場面に大変身するのです!1978年に彼は A.FRESCO というフレスコ画の塗装会社を立ち上げます。彼らは、まわりの環境に一体化した壁画で、人々が見て楽しむことができ、芸術的で、社交的、そして文化的なものを生み出したいという想いでフレスコ画を描いています。フレスコ画は雑誌や、インターネット、ポストカード、ポスターなどに掲載され、彼らのデザインしたフレスコ画を見に集まる観光客も多いそうです!
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平面の壁だったとは思えないほど、立体的な空間が出来上がっています。お店の内装も絵が入るだけで、空間がずっと広がり、陽気な雰囲気に!全く別の空間のようです。
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トリックアート、ストリートアート部門の Pinceau d'Or
写真下の作品は、トリックアート、ストリートアート部門で Pinceau d'Orという賞を受賞したそうです。教会のある広場の空間に一体化した美しい景色。女性たちが通りの奥の川で洗濯ものをしている様子や美しい橋が青空とともに描かれています。絵が描かれることによって、街の広場の雰囲気までがらっと変わります。
美しい壁画やストリートアートに予期せず街中で出会ったら、とても嬉しい発見ですね!旅の良い想い出の1コマとなりそうです。皆さんもぜひ街歩きの時に探してみてください♪
参考ページ: A.FRESCO 壁画サイトtronpe-l'oeil