新型コロナウィルスの感染によりアジア人に対する差別がフランスで話題になっているので、確認してみました。
新型コロナウィルスのフランスの状況
フランスはヨーロッパで初めてコロナウィルス感染者が出た地域(1月24日)です。現在確認された感染者は6人です。
武漢からの帰国者への対応
1月31日に武漢からの第一便で179人が帰国。マルセイユ近く、南仏の保養施設で2週間隔離されています。1日2回の検温とマスク着用にて過ごしていますが、とても快適に過ごしているようです。
2月2日に武漢に残されていたフランス、欧州諸国人250人がチャーター便で南仏に到着しました。うち約20人が感染を疑われています。症状のない人も二次感染を避けるために2週間間隔離されることになりました。
街中の様子
観光地では大型バスで移動する中国人観光客の姿が今でも確認できます。中には美術館やデパート内でマスクを着用している観光客もいます。
ヨーロッパではマスクをしている人は重大な病気にかかっている人、というイメージがあり、予防のためにしているという意識がないので、マスクをしている人を見ると嫌悪感を抱かれていました。
しかし、最近はマスクをして自分を守っている、お互いを守るための予防だという発信も増えており、理解されるようになりつつあるのかもしれません。
フランスでのコロナウィルスのアジア人差別の状況
アジア系の住民だから、ということで差別が行われています。
ポイント
恐ろしいウィルスの流行だからこそ、絶対に感染したくないという強い想いから必要以上にアジア人を見ると過敏になっている方もいますが、それと共に、アジア人に対して常日頃から無意識に持っている偏見や差別の意識が、このウィルスの流行により顕在化しているようにも見えます。
どのようなアジア人差別が起きているのか?
- 街中で差別的な言葉や罵声を浴びせられる。
- パリの空港から市内中心にタクシーで出ようとした時に中国人やアジア人は乗車拒否される。
- 電車の中や街中で避けられる。近くに寄るなと言われる。
- 鉄道で乗車拒否される。
- エレベーターの利用を拒否される。
- ネットにて中国人を侮辱するような投稿が相次いでいる。
- フランス地方新聞にて「Alerte Jeune」(黄色人警戒)という見出しの記事が出る。アジア人全員をウィルス扱いにしている内容のため非難殺到。
メトロで横の席に座っただけでウィルスに関連した暴言を吐かれた友人もいます。(心の中で毎日お風呂に入ってる私達の方がよっぽど2日に1回しか頭を洗わないあなたより清潔よ!!と思ったそうですが・・)
私がメトロに乗っていてもまだ特に避けられるといったことは起きていません。しかし、咳をした時に、ジロっとまわりの視線が私に集まったことはありました。
#私はウィルスじゃない
差別を告発するため、また、被害にあっている中国系住民を応援するための「#JeNeSuisPasUnVirus(#私はウィルスじゃない)」といったハッシュタグも1月末からネット上で出回り始めています。
これは、1月27日に「J」という女性がSNS上で匿名で被害を訴えた時に使用していたハッシュタグのようです。さらに人種差別問題にも取り組んでいる映画監督のアマンディーヌ・ゲイによりリツイートされてフランス中に拡散されました。
Je partage le texte et le hashtag créé par une camarade adoptée qui ne souhaite pas que son nom soit mentionné afin d’éviter le harcèlement et le racisme anti-Asiatiques qu’elle dénonce.
Merci de relayer sa parole.
—-#JeNeSuisPasUnVirus #coronavirus#RacismeAntiAsiatique pic.twitter.com/z2KMx3WZUf— Amandine Gay (@OrpheoNegra) January 27, 2020
早く新型コロナウィルスがなくなることを切に願います。